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労働基準監督署の調査で思わぬ是正勧告・指導をされる事項 |
Q.労働基準監督署より調査の案内がありました。残業時間も多くないし、もちろん、最低賃金も大丈 夫ですし、残業代もきっちり計算しています。その他に確認しておくことはありますか。
A.労働基準監督署の調査では、ご質問のような賃金や労働時間のほかに、賃金台帳や労働者名簿、出 勤簿、年次有給休暇管理簿の帳簿の記載事項や保存についても調査されることが多くあります。そ のため、帳簿の記載内容を確認しておくとよいと思います。 それぞれによくある指摘事項は次の通りです。 @ 賃金台帳について(賃金計算の基となる基本帳簿、事業場ごとに作成する必要あり) ・基本給や支払額の記載はあるが、勤怠項目の労働時間数、残業時間数、深夜労働時間数などの記載 がない(特に残業時間)。 ・賃金台帳を廃棄してしまっている。…最後の記入の日から起算して3年間の保存が必要。 A労働者名簿について(事業場ごと労働者ごとに作成する必要あり) ・退職者の名簿に退職年月日や退職事由を記載していない。 ・職歴が記載されていない。 A 出勤簿について(労働時間を記録した帳簿) ・押印など出退勤の確認のみで、始業・終業時間が記録されていない。 ・中抜けを認めている場合や随時休憩を取得させている場合に休憩時間の記載がない。 C年次有給休暇管理簿について(労働者ごとに作成、必須の記載項目は取得日、付与日、日数) ・2019年4月から追加された帳簿のため、作成義務を知らず未作成。 ・任意の管理簿があり、年次有給休暇は管理しているから大丈夫といわれるが、 →年次有給休暇の付与日(=基準日)と付与日数の記載がされていない。 →具体的な取得日が記載されていない。 ◎ほとんどの労働基準監督官は、賃金台帳の「勤怠項目の記載(特に残業時間)」、出勤簿の「始 業・終業の記載」、年次有給管理簿の「具体的な取得日の記載」について確認します。形式的なこ とではありますが、思わぬ是正勧告や指導をされることが多いと感じます。
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